gastronome 71-80
AB(なかほど)


ぼすの顔に似合わない
好きな食べ物とかお花とか
ポストに入れておきました
 
 
 
全部あきらめたと嘯きながら
いくつものことを忘れてきた(つもり)
甘いのか、苦いのか
 
 
 
夕焼けはオレンジ色だね
オレンジは夕焼け色じゃないけど
そんな繰り返しの日々に
 
 
 
あの夏が来るねとつぶやきながら、
あれが初恋ならばはじけてった気持ちは
カルピスじゃなくてミリンダレモンライム
 
 
 
雨降り。夜の八百屋、メロンとむきだしのふ
とももと聞き屋の賛美歌としゃがみこむ娘と
それから、もう少しでにじみそうな明かりと
 
 
 
私の好きなとこ
チェリー って名前にして
それから食べて
 
 
 
僕のさみしい夢を獏は食べててくれたのかな
獏のさみしい夢を僕は食べてたのかな
今日どうしてここにいるのかな
 
 
 
向うの見えない壁をいくつも越えて来たんだ
よ。と居酒屋で、飲めば毎度のように確認し
ているのに、気付いてみれば、未だに
 
 
 
我が家ではいただきますの後ニャー と号く
ただいまもおかえりも言わない、
君がないた日から、あの日からそうしてる
 
 
 
あわてたような目をしてあなたが横を向く
あたしは今日もあらぬものを噛んで寝るの
それなりの物わかりのついたふうな
そんな目をしながら
 
 
 


自由詩 gastronome 71-80 Copyright AB(なかほど) 2023-12-12 09:48:27
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