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あなたの言葉が
喉につっかえて痛い
好きな人も嫌いな人も
寄せては返す
波打ち際から先に
行ってはいけない

残りあと20年を
あなたにあげたい
それだけあれば
一度ぐらい
本当のことが
言えるだろうから

小さなことでくよくよと
考え込んでいる
まともに嘘をつかれて
分かっているけど信じてあげる
この苦しみは分からない
分からなくていい

夜の闇の中で
月のように踊り明かす
こんなに冷えて錆びた時間を
独りで持て余すのは
勿体無い
でもあなたには現実が待っている
私の人生より難しいことを
問われている

分からない訳がない
誰かを許す痛みと
救われたいと願う
放逐された神
切り取られた夜を
人は朝と呼ぶ
もう何も残っていないと
分かっていたとしても
人は目を醒まさなければ
いけない

朝の海
波打ち際
寄せては返す
残り時間
素足で
冷たいなって
黙って
独りで
思う

ずっと独りで?


自由詩Copyright 303.com 2023-12-12 06:59:14
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