psycho
医ヰ嶋蠱毒

震え
謳う
脳髄の底から

双眸を潤ませ
這い出した
無貌の
青い吃音症

瓶詰めにされた
仔犬を並べて
逆様の月が
わたしの体液を舐めとるあいだに

惑乱は響き続ける

嗚呼
朦朧として
二疋目のわたしが蠢く胎内
臨月を俟たず
齢を喰らう蝕の怪物が
産声を上げて

瀉血の針と
赫、赫、赫
背徳を孕んで
この世でいちばん邪な
光芒を放ちつつ
翼を拡げる
わたし

サイコ


自由詩 psycho Copyright 医ヰ嶋蠱毒 2023-12-11 18:24:17
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