聖誕祭
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時が過ぎる音がする
皆もう薄々と気が付いてる
街路樹を光らすだけじゃ
自分たちの涙を止められないこと
それはゆっくりと流れる河の音
傷口に群がるハエさえ追い払えないで
ゆっくりと餌になっていくことを
現実だと受け入れられないだけ
壊れたものからは壊れたものが生まれる
もう生きていることに価値はなくなり
使い物にならないと知れば棄てられる
主人は自分たちの食卓さえ守れればいい
赤黒い腐った血の色をした大河
それでも魂は繋がっていくだろう
もうどうやっても見えない深みの底で
燦燦と輝く太陽のように昇るのだろう
希望なんて、思い描くことさえないのに
サンタクロースがやって来て
まっしろい雪で町は化粧する
贈り物を選ぶ人の凍えた指先
僕らは何を救えば許されるんだろう