ため息
◇レキ

心は紙風船みたいだから
傷つけられないように
無口に今日も僕は
気取ってないふりして静かに
微笑んじゃったりして会釈する

心の空気は換気しないと腐ってしまう
どろどろで腐敗臭
換気のために
美味しい曲を探したり
猫の肉球をふにふにしたりする

真夜中心に穴空いて、しぼんで
力なく絶望に見舞われるときもある
さみしそうな星々の下
少し農道を歩いて絶望を捨てに行く
暗闇で穴を浸し夜風を浴びる

からっぽの心は
風通りがよくて
秋の心地よい風も喜ぶ
でも
小さなほねのかけらなんか入れると
からから
虚しい音がする

星々の郵便物
色とりどりの孤独を盗み見る

僕のささやかなため息は
居づらそうに漂って
それから簡単に溶けてゆく


自由詩 ため息 Copyright ◇レキ 2023-11-10 01:02:19
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