部屋で、眠かった
番田 

何も思っていない。こうしていることを、部屋で、でも日々はあまりにも早すぎた。イケアに行くたびに切りがないくらい増えていく欲しい家具のように、そのようなことを思いながら、また次に行って買おうとしている家具についてを考えていた。公園から誰かの発した声が聞こえた。窓を開けて見てみても、砂場と広場があるだけで、誰もいなかったのだが、腰を下ろして思うべきことを頭の中で考えていると、昔迷路に行った時に楽しかった時の記憶が蘇ってくる気がする、突然部屋の中に入ってきた天井の蚊に驚かされつつも。手で追い払いながら、殺虫剤の場所についてを考えていた。株アプリが、スマホの中の、いくつかページをめくったところに仕込まれていた。今日はどうなっているのか、気になった。明日はどうなるのかは何も頭の中では考えてはいなかった。私にとっての株式投資とは、ただアプリの画面に映しだされる数字を目で眺めているだけの行為なのだ。特に、何も、米国の情勢がどうであるかなどとは、想像もしてはいなかった。また、それから、布団に横になって、数字を見てしまうのだろうと思った。気がつくと今日は少し暑いと、眠気の中で思っていたが、皮膚科の医師のやる気の無さを思うことにそれは似ていた。きっと、たぶん、どうしようもないことなのだろう、そのようになることは何も手の打ちようもないのだ。自分の考えを表現する医者には、私はまだ会ったことはなかった。


散文(批評随筆小説等) 部屋で、眠かった Copyright 番田  2023-10-19 01:35:53
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