名無し人のうた
ひだかたけし

きのうきみがみた夢の光景、

切り株の真っ平らに
座った真っ白な女の
声の朗らかに唱う
なんてあったかく
なんどもそこから
ひたすらひびいて
のびやかひろがり

今日の今のこの瞬間に、

破裂する
君の意識の視界
強烈な輝きの照射し
映り込むナニモノカの

そのそっと寄り添い色づく気配、
昂る魂包む無限の慈愛の微笑み、

かるくとぶほどの
思考の引力圏に
ふるえるむげんの
力動宿り現の浮動
のびやかしなやか
実感される内世界

・ーー

名無しと成った赤子の君、

外世界に晒され歩き出す

今日という場所の第一歩、

もう分かっている解って居る

 世界が君を存在させると共に、
 君が世界を存在させるのだと、

もう分かっている解って居る

今日という場所のこの第一歩に、

遠く近く懐かしい潮騒の打ち寄せ。



















自由詩 名無し人のうた Copyright ひだかたけし 2023-10-11 17:41:20
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