道ばた
soft_machine

公園で何本かの吸殻をひろいながら
ここにどんな唇が触れ吐きすてたのか
といったようなことは
あまり考えないようにしている

救えなかったいのちより
救わなかったいのちを大切にしているのも

まっすぐに進みたいものを
曲げるひかりを探すのも

たぶんみんな同じ言い訳

あなたにぶつけられたことばのやいばが
からだの中でおおきな破片に割れて
今も心をひき裂いている

おなじくらい烈しい怒りで口を塞ぐ
二度と目ざめが来ないよう
思いの果てにとり憑かれ抱いた

道ばたで裏がえった犬のなきがらを
何度も何度もうずめてきたけれど

いつか
いつか止めてしまう日がくるのを知っていた

ほんとうは嫌だった
愛は苦しみぬくのだから





自由詩 道ばた Copyright soft_machine 2023-10-07 10:15:12
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