怒りの日
竜門勇気


八月じゃちょっと遅かったかな
九月でも駄目だったよきっと
おいでようこそ
鎖のない地獄と責め苦のない天国へ

気持ちのいいウソだけずっとついてきたんだろ?
望んでもない新しい生活が始まる時にも
何かがよくなるって信じてたんだろ?
そして天使はいなくなった

首輪や手錠は役に立たなかった
信頼や友情なんてもってのほかだ
役に立たなかったものばかりが
しけったパズルの内側で複雑になっていった
どうして僕だけ君の気持ちいいことに付き合わなきゃいけない?
まるで、まるで、まるで、ああ何も思いつかない

暑くなる前にケリをつけたかったんだ
そしてまだ何も終わりも始まりもしていない
ひどいことになる前に
傷つけあう前に終わらせる方法を探してた
ハンドルを右や左にせわしなく動かすのをやめるべきだ
壊れそうなものが壊れるのが間違ってると思ってた
間違ってるものは壊さないほうがいいと思ってた


真夜中のある時にエレキギターが
破滅的な音を鳴らすとき
夏の時報を聞いたように
君が立ち上がって、少したってコーヒーを入れるために
沸いた湯の前に立って
そして少しだけ何か考えてくれるだけでいい
神様が与えてくれるのは
そんなささやかなものでいい
ちょっと望みすぎか?

天使誘拐計画続行中
天使誘拐計画続行中
ねえ、息してないよ
天使誘拐計画続行中
ねえ、天使なんかもうよくない?

天使誘拐計画続行中
天使誘拐計画続行中
もう、腐ってきちゃってる
天使誘拐計画続行中
次のファミマ絶対寄って!

古い家屋には必ず猫の置物がある
後悔があったらそこに捨てるようになってる
町や、お前らの街にはないかもな
猫の爪はいつも清潔だから

天使誘拐計画続行中
天使誘拐計画続行中
とけてない?だったらなんだってんだよ
天使誘拐計画続行中
あーもう過ぎてんじゃん今日
もうペプシの口なのに

天使誘拐計画実行中
天使誘拐計画




自由詩 怒りの日 Copyright 竜門勇気 2023-10-04 00:29:16
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