ほのじろき
なけま、たへるよんう゛くを

ティーポット、熱湯の中心で 草の根からしみ出てくる成分が
私という容れ物に落ちれば そこでもまた精神作用をしみ出させる

陶磁器は地中海のような白さと 中東のように丸みを帯びている
知らされていない事がある、私は お客人扱いされたままなのだろうか

来なければよかった朝にも 話す用件はいくらでもある
私たちはお互いの他に 安心材料が見当たっていない

君は綿密で気配りの利いた話 喋りずくの頭脳にも収まらないほどの計画があるのだ
眠たいよと私は言った 朝だよと君は言ってくれた

穏やかな日を浴びて 二人庭にサンドをかじる
ガラスの風よけには 人一倍強い針金の骨が通っている

ツツジの迷路は揺れるのだから
スイセンの丘が見ごろだから

どこまでも歩こうじゃないか アーチ門に這う有刺の腕
いつまでも居ようじゃないか 太陽は砂時計より早い


自由詩 ほのじろき Copyright なけま、たへるよんう゛くを 2023-09-28 07:25:45
notebook Home 戻る