はるな



あなたは静かに家をつくりはじめる
静かに 何年もかけて

あまりにも美しくそれは成されたので
家ではなく 森や 額縁や ひとかたまりの風に見えた

静かに何年も何年も
何年も何年も何年も何年もかけてそれが終わったとき
だれも気がつかなかった
その家に扉がひとつもないことに
あなたがずっと
内側からそれを作り続けたことに




自由詩Copyright はるな 2023-09-08 15:46:32
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