由比良 倖

人里離れた木の家で
タイプライターで小説を書いていたい

静かに、小さく、ひとりで



忘れられたピンボール・マシン
白黒写真にだけ残ってる
白骨化した遺体みたいに

静か、私はここにいる
ヘッドホンの中に

ヘッドホンは、最強の武器
異世界への、頁

退屈していたい
散り散りにはなりたくない
退屈していたい

退屈して、退屈して、
人里離れた木の家で
ギターやチェロやトランペットの隣で
白骨化した私の遺体が
楽器と見間違えられるといいな

親しい人みんなに
弾いて欲しいな


自由詩Copyright 由比良 倖 2023-09-05 03:01:58
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