詩情の薫りご飯
atsuchan69

土砂降りを浴びて
雷さまが落ちた夕暮れに
雲と蒲焼きの匂いが過ぎてゆく
汗とガリガリ君も遠ざかる

そして何処からともなく
幽かな松茸の馨りがやってくる
定番は土瓶蒸しに焼き松茸、
そして松茸ご飯だ

詩人はデパ地下へゆき、
大きな籠に山のように盛った
太い丹波産松茸を眺める
少し触るけど、絶対に買わない

帰宅すると手も洗わずに、
さっそく白いご飯をひとりぶん炊く
それは湯気に丹波篠山の風が漂う、
愛しい、詩情の薫りご飯だ









自由詩 詩情の薫りご飯 Copyright atsuchan69 2023-09-04 07:46:02
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