メモ
はるな


ずる休みをして、駅の喫茶店でホットケーキをたべた。何にもならない恋みたいな良いことが落ちていないか、街をうろうろする。本屋をはしごして本の匂いを嗅ぎ、またちがう喫茶店で紅茶をのんだ。色だけが濃くて、味のしないへんなお茶、平日の11時前っていう中途半端な時間にちょうどよく温い。

際限なく自分を開示してしまうのがよくないと、わかっていてもそうすることしかできない。坂道を転がり落ちるみたいな関係しか結べない、結ぶまえに転落するか、自分が重たくいることをいつも自覚するような
そうすることしかできないことばかりで過ごしている、思い詰めて過ごしている、ときどき硬く破裂する。
わたしはわたしでないことばかりでできているので、開示すればするほど、嘘に近くなっていく。(しかし嘘そのものとも呼べないもの。)どこまでも分解される、わたしというものがうすべったく軽くなっていく最中に、体だけが一グラムも減らずにそこにあり続けることの不自然さ。

硬く破裂します。もっと柔らかい時期があった。今の方がすこし楽と思う。すこし楽になった、すごく辛いから。生きていくのは本当に不自然なことと何度も思う。でも理解したいと思うし、そのためには言葉を尽くすしかできない。わたしが使える少しの言葉と、自分の指の間に、温い紅茶、ホットケーキ、ペンやビルや思惑や立秋があり、変化し、何度も、不自然に、生きているなんてへんなの、と書き捨てる。


散文(批評随筆小説等) メモ Copyright はるな 2023-08-22 23:30:09
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