びしょう
あらい

〈揺り籠の鳴る気息に点いて。〉


梢の濡れた通り狭く開かれた
  頭上は
    輝きだけでも ない。
藪蛇さえ 喉を通らず 羽の揃わない天使のころも、
 
  きっと      いつからか
   そっと      いつまでも
  とまっては おおって いくべきで あろう
 
     / 雨だれの感嘆 ふつりとし/
      / 置き去りにされたものに /
 
ひたぶると 振り向くべき 愚鈍と純真 また、
潤いをのせていく色を 染めては拙い童話を 紡い出る

  /一方
   \その鈴蘭であれば、端から
    \濁りみせる上澄みな光跡が
  /一方的に
   \形を生んだよう。夢の中での出来事とまあ
    /演じられる火の粉の舞


〈ひつぎに巡らせた無垢な花篇に継いて。〉


     \あ     掌に 抱かれゆく
    |れ/は――――易し
       ( あわせては )
      |平ら \       ものたちの――
       |な坂で \ あわれな \
        | 躓く  \
 
           \漏斗の差口。   おおよそ 詣る、
 クダラナイ静謐に ―― 落書きした、東へ、西へ 匂い立つ
           /不釣り合いに重い 愛のようなもの。
 
        口吻という信者が鍵穴から 紫煙を廻す
              いますぐに すすぐ――
   マツリカのひとつひとつの正直な サイン
――指し示す 丁寧な、かたち

   土から生まれた実が海に流れることは大分
    気の所為でしか ありませんでしたが


                 それでは、


                〈安楽椅子に搗いて――尽い射て〉


                    くだらないほど静かな日に
                ハープを奏でいる。指先の風など
                      なであげておいて、
                 天を空を見上げる余裕を孕んだ。瞳
                       閉じられたままだ、
              まだ少しだけ温かい繭のようなものを
                 抱いている、鼓動だけの胸を
               揺らがせたものだった。これら

                キレイなものだけを選別していった、

                            しまいに。
                    ひとがひとであることを
                      放棄した あとに、
                          座している、
                               赦し


自由詩 びしょう Copyright あらい 2023-08-21 20:21:51
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