そらの珊瑚

夏の水の力を借りて
包丁を研ぐ
冷たい石の周りで
世界は沸騰し騒騒しい
蝉は
悲しみを
果てまで
追い詰めて鳴く

時折
人差し指で
刃に触れて確かめる
すり減りながら
鈍色に光る
わたしの刃を確かめてみる
この切っ先を


自由詩Copyright そらの珊瑚 2023-08-04 09:51:44
notebook Home 戻る