おれは中絶（abortion）を免れた
悪辣の忌仔
数多の咎を断頭台（guillotine）の枷に嵌め
十三の階を昇る黑い懺悔者（judas iscariot）

giacomettiの彫刻のような
蝕を懼れる片輪の犬を影（shadow）として
銃把を握る菩薩（bodhisattva）を拝し去勢（castration）されたsadeの肖像
おのず陰嚢へ針を刺し
いまや血肉の絡繰（machine）と化す

「好く濡れていますこと」
「殺して黙らせれば善い」
「少し臭いますわね」

鋼鉄の肉體は甦生した造物主（tetragrammaton）の庇護の下
darwinismの臨界点（critical point）へ入水する
引鉄に掛けた白皙の痙攣的な美しさ（la beauté sera convulsive）は
贖罪の祈りに呼応して咲き
頸骨を裁つ速力（velocity）で
煙る煤煙を貫いて疾駆するおれの翼と
転倒するJEAN PAUL SARTREの墓碑
月魄（hekatē）を仰ぎ死の舞踏（dance macabre）すら
いまや血肉の絡繰（machine）と化す