ゲーマーズハイ
soft_machine

 ゲームセンターの活気は
 見ているだけがいい
 かつてハイスコアを争った
 夭折たちの親しみが鎖されている

 憧れた景品は
 一度もとれたことがない
 冷媒は触れると綺羅をすり潰す
 それくらい冷房された室内は
 副流煙のビンゴもならず
 逃げる圧倒的個人が
 いったい何をしたというのか
 コインを積むのも流儀があって
 隣の校区と
 隠しとおせると
 あんなに甘く信じた頃と
 にぎり飯とを噛みしめながら

 あふれる機械油も
 どうにも止まらない
 ただ怯えるゲーマーズハイ
 朽ち果てるまで
 笑っていたかった
 けれど手遅れという思いが大きすぎて

 また迷いこめる
 ただのいっぽん道なのに
 蛍のように閉店直後の歌を背後に
 しっかり綯われた
 縄もないのに
 子どもが床を
 転がってゆくものだから





自由詩 ゲーマーズハイ Copyright soft_machine 2023-07-28 15:26:45
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