透過の詩
白線
まるで息継ぎみたいなすきま、だね。隙間。わざとあ
けた空白に差し込まれてゆく紙きれを、わたしがひら
けるから埋まってしまうこと、見ないふりしている。
余分なもので密度がたかまり、満ち足りているように
みえる、体。詰め込まれて重たくなって、支えられな
くなったら手放して、最初からなかったことにしよう
よ。べつのところで知らないうちに取り除かれた記憶
があり、意識とは関係なく、身軽になろうとしている
(ということに、いつ気がつくのだろう)。わすれた
り、思いだしたりしながら、じぶんが変形している。
いずれ自我にも穴があくだろう、風がすべってゆく、