『ハロー』2分41秒
モリマサ公

ハロー
こんにちは
顔の無い自分の
顔の部分について考えている
なぜか?
非常識だからだ
洋服を着た
からだだけがピンポイントに
ぺたんこになって地上に映し出されていた
これからもわたしたちは
なんとかマップにマッピングされていく

上空を
罪の意識の無い人工衛星が
紙飛行機のようにすーっと横切っていく
地上では
温度だけでしかないかたまりになって
生きているというだけの純粋なわたしたち

鼓膜が揺れている間
その意味について考えている
という現在が通り過ぎる瞬間ごとに
くりかえしあたしがうまれる
地上ではいくつかの建物が崩壊して瓦礫の山ができた
退屈とは?という定義の中にもスピードがあり
目は閉じない
あいたままに無が宿った


加速していく
たゆたう永遠の退屈を
きりとって超えるこころたち
無重力そのもの
未来はとても平坦で
終わりの無い地平線だった


顔の無い自分を愛そうと試みる

あたしはハダカだ

ふくろにつめられて

ゴミ処理場所行きだ

バチッ

ブルーから

ブラックになって

残酷な風景が横切っていく

たくさんの机と椅子が並んでいる見渡す限り

顔の無い自分がYouTubeにアップロードされる前に削除されていく

無重力のこころたちが画面いっぱいに映し出されて

真夜中のウクライナとロシアでなにがおこっているのか

空からは
ついに
雨が降り出してしまう

バチッ


自由詩 『ハロー』2分41秒 Copyright モリマサ公 2023-07-19 11:11:27
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