アイソニアの騎士、立つ(四)
おぼろん

「イリアス様をそんなにも信頼するのは、おすすめ出来ません」
ヨランは苦渋の言葉をは吐き出すように言った。
「なぜだ? 俺がクールラントの敵だからか?」
「そうではありません」

盗賊ヨランは、祭祀クーラスやフランキスが巡らせる陰謀を、
肌身を削るような感覚として感じ取っていた。
クールラントがアースランテと組めば、
エランドル・エゴリスが望む世界が訪れる。そう思っていた。

デーモンであるラーディガン、エランドル・エゴリス……
彼らは、この世界を根本から変えようとしている。
ディレッタントであるヨランにとっては、それは望ましくない世界だった。

「この世は綺麗すぎてはいけないのです。綺麗すぎる世界には、
 必ず変動が訪れます。もしも、あなたが祭祀クーラスを殺したら……。
 エランドル・エゴリスがこの世界を支配することでしょう」


自由詩 アイソニアの騎士、立つ(四) Copyright おぼろん 2023-07-19 01:04:31
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クールラントの詩