待つ女
リリー

 すぼんだ花が
 いやにいとしくて
 捨てられずに
 眺めていた

 去年の春 と題して
 絵をかいた

  いやな女ね あたしって
 
 煙草がいたずらに灰になるのを見ていた
 煙が むなしく大気にとける


 紅はつけたが
 髪はとかした が
 一人の室の大きさが
 やたらと 私の上にのしかかる



自由詩 待つ女 Copyright リリー 2023-07-13 10:05:07
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