街カラス[まち角11]
リリー


 路の端
 行きすぎるヒトの脚許
 恐れもせず
 ヨチヨチ
 
 細い舗道で歩調ゆるめるヒトたちの視線
 浴びる君はなんとか
 横断すると
 また 喫茶店のガラス扉の前
 軒下うずくまる

 その大きくってまんまるい
 オニキスの瞳

 なにが
 そこに映っているから
 ちいさな頭を傾げているの?
 
 街はね
 唯 
 広い
 果がない

 風がある
 音がある岬なのよ

 海が 何を感じよう
 唯 
 広い
 果がない

 あの電線まででいいから
 ひろげてみて欲しい
 君の未だ
 柔らかそうな漆黒の翼を


 
 

 
 

 
 


自由詩 街カラス[まち角11] Copyright リリー 2023-06-29 12:26:31
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