死んでゆく爺ちゃんや婆ちゃんたちへ
atsuchan69

ボクの住む街の駅前にナントカ銀行がある。建物のガラス窓にはポスターが貼られていて、たぶんイメージキャラクターなのだと思うが、若く溌溂とした女優さんがこちらを見て笑っている。でもこの女優さんは、小学校から高校までを某巨大宗教団体が運営する学校に通ったバリバリの教団信者でもあった。そういえば彼女を広告に起用している企業はどこも教団と関わっているように思える。いちおう、知らない人のために書いておくが、この教団の資産は10兆円とも言われ、財閥との関係も深い。戦前は国家の進運を扶持するほどの強大な財閥群ではあったが、終戦とともに GHQ によって解体されたものの現在は企業グループとして再結集し、特に教団と関係が深いこの「Mグループ」は世界最大の企業グループである。これも知らない人が多いだろうが、ニューヨークに本社を持つ名門投資銀行「MS」も筆頭株主は「Mグループ」に属する例のナントカ銀行である。だから某巨大宗教団体の幹部の人たちはナントカ銀行の株をたくさん買ってトンデモナイ配当金暮らしをしているのかも知れない。さて、戦前と戦時中の話を書くほどボクは年寄りではないが、財閥と戦争とのかかわりを説明するには五味川純平さんが書いた「戦争と人間」を読む(のはタイヘンだから、日活が制作した映画「戦争と人間」を観る)ことをススメル。ボクたちの住むこの国は、戦時中に欧米勢力に代わってアジアの麻薬利権を支配した。ボクは麻薬と財閥の関係についてはあまり詳しく知らないが、里見機関については少しだけ知っている。そして戦後もアジアでは黄金の三角地帯や黄金の三日月地帯が麻薬産地・密売地帯として生き残り、南米の麻薬ネットワークも含めて今もこの地球の何処かの誰かが「一瞬の天国」を売りさばいて富を得ている。この星のビジネスは、戦争も含めて売春や臓器売買、窃盗や詐欺等の犯罪も含めてカネが動くかぎり止まらない。そしてカネの流れる大河の上流に富の神殿が建ち並び、そのひとつに日本の財閥とさらにもっともっと上の人々がいる。某巨大宗教団体は、壺売り教団とともに戦前からつづく大河の流れの「上流」へ我々ビンボー人がけして溯れないように作った巧妙なトリックのうちのひとつだ。その他のシューキョー団体も富の上流を延々と下った河の洲にある。上流にもっとも近い場所にあるのは正真正銘の神社仏閣であり、古い歴史を持つ家の人々が暮らす立派な御殿だ。毎月第2金曜日、「Mグループ」の人たちは皇居前に建つ某高層ビルの一室で昼食会を行う。ここではもしかすると現代詩フォーラムに最近投稿されたテキストが話題になるかも知れないし、まったく話題にすらならないかも知れない。ただ、死んでゆく爺ちゃんや婆ちゃんたちがかつて信じた「天皇陛下万歳!」の時代から「ナンミョー」へと人民の心は移り、ふたたび戦争へと向かう道の途中でひとりの自称ネット詩人がちょっとしたネタバレを書いたことだけはしばらくは消えないで残る筈だ。


散文(批評随筆小説等) 死んでゆく爺ちゃんや婆ちゃんたちへ Copyright atsuchan69 2023-06-22 13:36:38
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