夜の響き
木立 悟





何を書き何を消し去る踏切夜


目の前に灯し火の音ひらく雨


歩む背に消し炭の夜やわらかく


描き出す描くともなく描く夜


春のうた頭上の夜に触れてゆく


風を見た目に棲む鳥が鳴いた夜


去る日々の折り返しかな十三夜


雨は見る金のけだもの子の歩み


手のなかを過ぎてゆく笑み夜の花


雨に憑くはばたきの音つもる夜


あなたにはあなただけの夜さようなら







俳句 夜の響き Copyright 木立 悟 2005-05-12 13:25:56
notebook Home 戻る