誰か
こしごえ


雨だれのリズムで
「晴天だけが良い天気とは限らない」
なんてぼんやりとつぶやいて
自室の窓の外へ目をやる

その人の人生を私が生きることはできないので
私は私の人生を生きるしかない。
事情にもよりますが、
まわりのことは まわりのことでしかないし
人は人、自分は自分と時々思う時がある。
その人の分はその人の分で、
自らの分は自らの分ですね。
それでもまわりのいろいろな物事は自分の心の糧にしたい。
けれど人生も誰かに踏みにじられる場合がある。
だから何事も、いつも自分の思い通りにいくとは思わない。
涙をこぼし雨だれのリズムで歌う雨だれか……。
でも物は考えようです。この雨が何かをうるおすことがあるかもしれません。
それに人生なるようになる その時はその時だ なので
だめな時は自然に任せる。そして、できることを一つ一つしていく

私はバスや電車に乗るのが好きだけど
ここ以外にどこへ行くの私は。とはいえ、
私という誰かの雨だれの水は、ずっと昔からいろいろな存在を通ってきた。

しかし
私という誰かは、
あなたと何度も会えたとしても
本当はあなたとも一期一会です。なぜなら
厳密に言えば過去の私と今の私は同じではないからね
こうは言っても私は私だ
私という誰かの
この終り

雨音に解ける


自由詩 誰か Copyright こしごえ 2023-06-05 19:22:27
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