アースランテとの駆け引き(八)
朧月夜
「ところで、お前は馬車何頭で来た?」
「はい。三頭でございます」
「汝、イリアス、そして護衛の者か。だが、
我が軍はすでにラゴスへと攻め入る準備が出来ている」
ハッジズは続ける。「汝らがクールラントへと帰りつける確率は低いぞ?」
「しかし、グーリガン・ハルガンテ殿が、あなた様がイリアスを屠ったとすれば、
あなたの国に敵対することは自明でしょう。
あなたは、あなたの首を自ら締めようとするのですか?」
ハッジズは勿体ぶって答えた。「国とは、一人の武将によって決まるものではないのだ」
現に、アースランテはファシブルの領土の大半を征服していた。
「グーリガン・ハルガンテが余を裏切るのであれば、それも良い」
「今、ヤーコンの国家群は、民兵を集めているところだ。
貴国、クールラントは東からの攻撃に苛まされることだろう」
「そんな……祭祀クーラス様の思し召しが……」
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クールラントの詩