昼顔[まち角1]
リリー

 
 日の傾いたまち角で
 ふと立ち止まってながめ見る
 昼顔
 香り無く素っ気ない素振りに見えた薄ピンクの
 一日花

 そのアナタが一瞬だけ、わたしへ
 ふるふるっ と 照れくさそうに
 かすかな笑い溢してくれた
 
 今日は木曜日だったわ。
 朝
 出掛けに急いでて
 袋一杯になってるプラスチックごみを
 収集場へ出し忘れてしまったわ。
 来週まで出せないの。

 胸の中でつぶやいてみたら
 もう
 アナタは素知らぬ顔

 だけどこれで 今夜

 街路わきの植え込みに蔓を伸ばして
 みちを 流れ去ってゆく人影見ていた一輪の、
 アナタとはすがすがしく
 さようなら



自由詩 昼顔[まち角1] Copyright リリー 2023-05-28 11:49:38
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