塩のため
soft_machine

 出立は二十一時零八分
 塩のために歩く
 明くる十二時四十三分
 塩のために命を失わないよう歩く

 扉のすき間から一条を頂く
 それに拠ると本日未明
 私は既に虚しかったそうだから
 たぶん 塩のために歩く

 膝を折って草場を確かめ
 ふたたび息を吹きかえす

 もう、誰かさんの嘘は要らない
 到着は零の零讃時
 無中分にして引秒
 紅いの塩ひと摘み





自由詩 塩のため Copyright soft_machine 2023-05-23 16:54:32
notebook Home 戻る  過去 未来