ファシの戦い(九)
朧月夜

そんな中、ドラゴンたちは何を望んでいたのだろうか。
ヨースマルテの混乱だろうか、それとも、
エランドルの望む世界の再編だろうか。
ドラゴネイアスは人の形を取ることもできる。

世界の改変を望むのであれば、そこにいる人類は一掃されなければならない。
エランドルの真意がどこにあるのか、人間たちも、ドラゴネイアスも、
計りかねていたのである。ただ、エランドルという人物は、
無私の精神で動いていた。自ら血を流すことも厭わない。

すべては彼の手のひらのうえで踊っているようだった。
アースランテとファシブルの戦い、これは第二次ライランテ戦争の序盤戦にすぎない。
これから真の戦いが始まるであろう。

そこには、軍国ラゴスの参戦という一大事が控えている。
アースランテとラゴスは激突するのか、クールラントはどんな立ち位置に立つのか。
今の時点では誰にも分からなかった。


自由詩 ファシの戦い(九) Copyright 朧月夜 2023-05-23 13:01:04
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クールラントの詩