うぞめき、ろまん。
あらい

齢の股から屍の如く
白腕がごっそり生えてきたサンダルウッドの景勝が見事であって
知性の乏しい殻と、勿体ぶって、豪壮の槍を
/線香花火の恵慈に突き立てる
『横暴よ。』
確してみれば、稀有にぞんざいの、戯言の細部を圧縮する
『毘藍婆よ。』
制は尾となり豪は僅か、人針ヒトハリの含光ガンコウに愉快であった、
ならばそれが一粒の偽薬に
蜥蜴の爪/刃毀れの煌き/篇先のシーグラスを微温く
鋒を寝かせた番師ツガイシの拍動を異沓イクツか、禍災に戻したという

――allegory――

ならば糸を引く、詩を奏でる。
祈りをも額ずき。整列した暗号が
一斉に礼を布いた。どのみち、         〈それがしがつみ。〉
飾り気のない己が歩み寄る。
すべてを受け入れたとき          なにか、心理だったか
凡てが塗り替わる。           予想も付かない洗脳と教育。
                  常識とすり込み、道徳でしか
                  測れない憶測を描こうと必死に。
                      一音一音を背に腹に
                      点描の如く聖櫃に穿つ。
揺籃(緒/粋/端)         純朴な死神が今と微笑んでいる
                    わずかに戻されたときが
私たちはすぐに毒を吐く。      喉に詰まってうまく生かせない
ともすれば天使に近付く。              ようだったら。
拳を振り上げて匂いを嗅ぐ
あたりはなんてこともない
無色の階層を布シいていく。         『うぞめき、ろまん』
ほらみたことか
助かることもない幻想が               通行手形。
日の出にて屠られてしまう。       罪状の陰雨、道行の火垂る
地中には軀が、芽を囃し、もう直ぐに      泥沼に湛むアシオト。
花に変わろうとする。                   なんとも
地中不覚の澱が我々と告示し     モノガラシイものではないか
                       扉を叩く弑逆と破砕
                 頭痛を引き起こす詩片ウタカタ達の怒声
              発破した水の泡を揺り籠に滑り込ませた。
                   仮初だと模様すのかそれが
             獣に誑かされた痕だと何故築いていっても、

『それを愛だと号サケぶ!』 

    この廃刊に見立てる、ひしゃげ朽ちたスチールに詰まった
     罵声土星共棲の夢物語を、水銀糖に溶かし啜っている
       細い欄干と糜爛した濃霧と、剥離した世界が
    喉元を焼いていく、すべてが私達の境地として、源に降る
                        常に正しくあれと。


自由詩 うぞめき、ろまん。 Copyright あらい 2023-05-06 08:49:35
notebook Home 戻る