錯綜する思惑(十一)
朧月夜

決定的な破壊が行われる前に、
フランキス・ユーランディアは間に合わなかった。
すなわち、ファシブル国の首都ファシの陥落である。
そのファシの戦いについては、後程述べることにしよう。

フランキスは、ハッジズ・ア・ラ・ガランデが陣頭に立っている、
その前線に赴こうとしていた。
アースランテ軍の軍勢は今は九万。
第一次ライランテ戦争当時の勢いにも迫ろうとしていた。

そして、今やファシブルの首都にも軍団は迫っている。
アースランテはいち早くドラゴンたちを味方につけていたのである。
攻城兵器などがないこの時代、生物兵器としてのドラゴンは有用だった。

どこからこのような助力を得たのか、アースランテ一国の功ではあるまい。
幽冥界のデーモン、ラーディガンの力もそこには関わっていたのかもしれない。
「どうなるのだ? 俺は?」と、フランキスは己に問いただすのだった。


自由詩 錯綜する思惑(十一) Copyright 朧月夜 2023-05-06 00:23:59
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クールラントの詩