一夜
秋葉竹





消え入るように
ささやく声は
私の言葉がかき消して

君のホントの感情が
視えないままの夜だった

あの日扉を開けたのは
けなげな明るい問いかけで

ふたりいっしょにいれるなら
生きてみるのも良いかと想えた

砂漠の国にも行ったっけ
夢のオーロラ光も視た
風の吹きくるましろな神殿
大笑いしたエメラルドの海

君が勇気を与えてくれた
明るい夢を与えてくれた

なにを
間違えたんだろう

なにに
つまずいたんだろう

消え入るように
ささやく声が
別れの言葉とわかるから

君のホントの感情を
視ないふりでもしていたかった








自由詩 一夜 Copyright 秋葉竹 2023-04-27 08:06:03
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