風の中で
soft_machine

 風の中で
 花びらになるもの
 一枚のレンズ越しに見える
 様々なかたちに折れる
 吹きながしになって

 君と痩せた蜂の両足が 
 季節を運んでいる
 胸が渇き
 私は何故かシャッターを落とす
 笑い声と共に
 ぼんやり丸いものが浮かびあがり
 唐突に
 愛に飢えていたのだと判る

 人のむこう側は
 混乱と静謐と汚濁
 あらゆる力で充ちていて
 哀しみや
 絶望でさえも
 冷たく耀く星々のまなざしの
 かけら

 風の中でこぼれ
 地面を彩る花首が
 思い出させた
 もし、今、君がなみだしていても
 自由から突き放されたとしても





自由詩 風の中で Copyright soft_machine 2023-04-17 14:29:59
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