風の中で
soft_machine
風の中で
花びらになるもの
一枚のレンズ越しに見える
様々なかたちに折れる
吹きながしになって
君と痩せた蜂の両足が
季節を運んでいる
胸が渇き
私は何故かシャッターを落とす
笑い声と共に
ぼんやり丸いものが浮かびあがり
唐突に
愛に飢えていたのだと判る
人のむこう側は
混乱と静謐と汚濁
あらゆる力で充ちていて
哀しみや
絶望でさえも
冷たく耀く星々のまなざしの
かけら
風の中でこぼれ
地面を彩る花首が
思い出させた
もし、今、君がなみだしていても
自由から突き放されたとしても