ひと粒の
soft_machine

 眠りをさますのは
 グラスのピアノ
 窓のカタコト
 外気が漏れている
 天井が笑っている

 風に去られ
 人目からも外され
 膨らんでゆく実をあたたかに想う

 たったひと粒でも
 限りなく白に近い
 溶けてしまえば誰にも触れられず
 混ぜいる迷いをはらす季節を
 日々とたとえる

 使える道具は傘と独楽
 もひとつやっとこ
 身を折りながら

 あかりをともすのはこころ
 星が消えるのも
 雲を千ぎるのも

 たったひと粒の





自由詩 ひと粒の Copyright soft_machine 2023-04-12 17:32:16
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