檸檬
soft_machine
さくらが流れていると
ぼんやり彼を感じてしまうのは
何故だろう なんて
共にして
また横に
不意に春のふくらみを介して
濃いかすみが
音をあたためる傍らで
陶然と頸を絡めあう
老いた皮はさみしく剥かれたり
動けないはずなのに
砂漠はしずかに拡がっていて
子どもらに
掴まれた耳穴から
聴こえる何かの羽音が
まるで歌うようだったね
雨を嫌う
青はあんなにも高い
きっと空気も冷たかろう
木もれ日からいなくなると
さくらは散るが
声はまたもたついた ことばを纏う
レモン
読めなくなったらちょっと困る
けれど
書けなくても平気