幸せにについて
AB(なかほど)

  

今、そんなに強張っているけど、肩の力を抜
いて、眉間の力も抜いて、下唇の下の力も抜
いて、そしてなにより、心の力を抜いたら、
自然に腹の力も抜けるから、そしたら boo、
poo、ときには suu、僕の前では何も気に
しなくてもいい。

とはいえできれば、いくら歳を重ねても、
boo のときには顔を赤らめて欲しい。poo
のときにははにかんで、suu のときには知
らん振りしててもいい。僕も気付いてるけど
知らん振りしてるよ、みたいな顔をしてるだ
ろう。



たとえば、あんなことやこんなことや、気持
ちのいいこととか悪い事とか、僕だけとか君
だけとかが気持ちいいときとか、あんなこと
やこんなことで、腹がたったり泣いてみたり、
それを解りあえなかったりしてるときとか、
でも boo ってすれば笑っていいから、少し
は顔を赤らめて欲しい。

ときには僕のせいにしてもいい。
「あんた場所柄わきまえやあ」
なんて言ってくれれば、
「腹の調子のええ証拠や」
って言い返すから、そしたら君も
「腸内環境よくせなあ。ビフィズス菌ぐらい
 飼いやあ」
ぐらい言い返して欲しい。





そんなふうにしてれば、死ぬまでお腹の調子
はよくて、次の世界に行く前に、皺くちゃの
君は僕の側にいて、もしもまた boo なんて
してくれれば幸せで、君が孫達の前で顔を赤
らめたなら、僕は
「なんやわしの腹だけまだまだ元気やなあ」
って言うから、みんなで笑って欲しい。




    


  


自由詩 幸せにについて Copyright AB(なかほど) 2023-04-06 18:05:29
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