決壊
桂
半分に割ったシュークリームのように頭の中から脳が溶け出す
皿の上にこぼれたカスタードと血と共に流れていった自我
甘みと痛みも違いはなく同じプレートの上この地球を彩る
感情は起きた出来事に添えられたデザートでしかなく
悲しみでさえメニュー片手に楽しみに待っている
リストカットじゃないけど
心の傷口開いて流しだしたエゴ
すっと軽くなって質量もカロリーもゼロ
ずっとうんざりしてた世界も今ならすべて平らげれそう
あと今にも飛んでしまいそうで
重力も働かなくて退屈な世界には1秒ももうとどまれない
自分を守ろうとする度に傷ついてた
だからハンマーに括りつけて遠心力つけて
思いっきり遠くに自分投げ捨てた
そしたら思ったより遠くにいけた
自己保身は結局のところ
小さな植木鉢の中で育つようなもので自身を小さくするだけだった
思いきってそこを飛び出して
二本の足で母なる大地と繋がって思いっきり枝葉を広げたら
どこからが自分でどこからが世界かわからなくなるくらい大きくなれた
ちっぽけな自己なんて概念かなぐり捨てて
傷つくことを恐れずに心を開いたから
朝露が滴って池の水に還るように
僕の魂はこの星に還った
もう孤独なんて感じようもないんだ