屈折光
あらい

意識的に手掛ける 毛糸で編まれた 様相は
蟻の巣に砂糖を置く 我ら おもちゃの王様が

角張った琥珀だ
、中には何か古い虫が祀られている
と宣った。

明かり窓から涼しい色がほのかな
 夕暮れ色を投げかけては
口に強いた 蟒蛇と 子を育ててみたらしく

わたいらは
一本橋のある、みちのりの邪魔だとつぶやき
、それを蔑ろにした イラストにして
貼り付けた天鵞絨の手触りを夜汽車にして
ママのようだと感じている

最後の最後の常識に
巧みに操られる彼の仕業だろうと推断する
バスルームに残された光がまた
いつまでもオレンジ色を散弾し
シャワーカーテンに影が揺らめいては
すすり泣くような、蛇口から 
漏水している、のを、溜まっているのだとした

いま オアシスに居る 日の出から
見ず知らずの花が、嗄れてみせた
奇声を発したのは、誰でもない
、節がある、胸がある、なんてこともない
膨らみかかった蕾の 落ちこぼれたペティーナイフに
可能性も配慮しないような、形を贈っている

だから格子に保たれた
レモンから髪の毛が数本生えてきて
言葉を発するまでもう少しかかりそうだなと
われわれはどこから何を信じて雨の中、
横断歩道を行けば、信号もあやふやな世界において
膝を点いて、礼を嗅いて、展を仰いだらいいのか
貪るような蜃気楼を、求めては 抜け出せるのか

黄色のライトがきれいにうつりこむ
うしろすがたの君達を見送りながら
あさもまたずに、目地を眺めながら

商船はまだ風呂の中で溺れているようだが
グラスに飲みのこした、真水の中には
一匹の琉金が優雅に泳いでいたというから

それを打ち掛けにして
大事な袖だけをめくっては
すこしばかりのおひねりを携えては
わたしらは婚式に向かおうと思うわけです


自由詩 屈折光 Copyright あらい 2023-03-26 12:36:58
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