IMNOTHERE
由比良 倖


不思議な空間へ出かける/*×−×−×、01,0,-0,0,1,0…///…、家や、近場の、遠い。
気になる温度の水溜まりへ、吹かれていく。
放送のように、生放送のように、電波に乗り継いでいく、分散して行く私、カメラに映る、
私のカメラに映った忘我と遊びは備忘録へ。

、ダンス、画面の外では日々の甘い瞬間の温度が染みている。
それは、奥に人間の奥のにおいがするだろう、

『クマ』を抱きしめて、予定通りに予定を外れ、外れた外れたアトリエで私は描く、
ひとりでひとりを全てを描き出す。カメラマンがやって来る、
私はカメラの前の全宇宙に、自由を体現するため、出かけるため、手順通りに靴を履き、
作業を繰り返す、単純作業を、
すると、枯れていく花のように誉められる私は、機械のように美しさを感じる、
穴の開いた服を着て、私は私を錯覚する/錯覚したい、
自覚する、そう、していたい。

楽しい、生きるのは楽しい、楽しいこと、とても、とても、楽しいこと、楽しい、楽しい、楽しい、楽しい、と、
弾の入ったピストルに歓喜して、壁に幾つもの『死』のような穴を開けていたい、
楽しくて、幸せで…、泣きたいほどだって、笑いながら。
「放っといて」って。



言葉を忘れる、色の入った鞄(メッセンジャーバッグ、麻布で(古くなっていく靴、
古くなっていく、記憶と[物質の懐かしさ、)経験の新しさ、)



動物(的)なる透明なものを中へ入れると、灰色や藍色の迷路のような私の指に、
虹が架かる、冷蔵庫のような、でもコンセントは付いていない、分厚い箱、の中



チャーリー・パーカーを流す(無音で(無温で、気流のようなサ行の沈黙…、‘on…,
one MoRe no/Te…
!)’



「(読む)」



私はユングのファンタスティックな誤謬を信じている
けれど彼の言葉は信じてはいない
世界中の殆どのひとが朝の挨拶をするなら
朝の挨拶の神さまはいる、けれど
ひとりぼっちの神さまと
ひとりぼっちのひとのための神さまは
いない
神さまを、そういう風に解するなら、だけど

不思議なのは、起きるたびに私はひとりで起きるのに
会いに行ける誰かが、世界にはいつもいるということ

起きたばかりのひとりきりの部屋でも
そう、書いていること

原始的な記憶なんてない
私はいつもここで、原始を表している



度の入った眼鏡が欲しいから、顕微鏡を毎日覗くような生活をしたい、



ダコタで暮らしをしたい、と眠りに就く前の私が私に言う
目を覚ました私は「そうね」と、笑って答える



『ハロー、ハロー、ポリスマン、ポリティシャン、
 古いアメリカ(の(白い白い白い白い光、』



私はふらつく時、床と床の確かさと、夢を見る、夢を描く、そのあとで床を抱く



月をピン留めしてはならない、
何故ならあなたはいつだって大人だし、
その為にあなたがあなたを笑うとき、
大人しく大人らしい態度を取るとき、
あなたはいつも子供を殺しつつあるから



渇望していく最中。
私の(目・目)の位置、視線、心臓、身体、温かい血の波に溺れる夢、赤く赤く赤く光が差して白い、
「わぁ!産まれる、生まれる!」って思うんだ、何をかは分からず、
きっと街も太陽も宇宙も人間も虫たちも大陸も妖精も、
みんなのみんなみんなのよすがも含めて全てのみんなみんなみんな、の真ん中に、
中央、震央、で……ある場所に、
私は決めた、決めたの、決めたのです(違う、だって!)
私だって世界を愛しているんだから!……と(……)
(世界とは何?)
(ごはんが美味しいこと……?)
(そして悲しいこと……あなたがあなたを望むこと)



何もかも超えていけるのは、日曜日、そのときまでまるで空みたいに沈黙していよう
産まれ続ける私たちの身体の、私はその一部として、全てとして
ちゃんと、空を産む、その瞬間の痛みに、私はきっと笑える、泣けるよ
ねえ、赤い雨が降ってくる、私は、虹を返す、すべては(、あはは)あり得べきもの、、、



(便宜的な、バイバイ、いっぱいのバイバイ。死、なんて私、少しも信じていない、から)


自由詩 IMNOTHERE Copyright 由比良 倖 2023-03-26 00:54:52
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