辛夷の花
八重もぐら



時に悩みに取りつかれて

どうにも思考が鈍ってしまうことがある

散歩に出て、公園の辛夷の花を見上げる

五部咲きくらいか、白一色六枚の花びら

裏に紅の筋が入るが、樹によりけり

丁度いい水色の空に映え

強い風には枝ごと揺すられて

そよ風にはゆらゆら舞って

白い花はとどまることを知らない

悩んでよどんでいてはならない

先読みし過ぎてはいけない

流されて揺さぶられて

思考の滓(おり)を落すのだ



自由詩 辛夷の花 Copyright 八重もぐら 2023-03-16 17:14:41
notebook Home 戻る