容器(初春編)
ひだかたけし

世界が照り耀いている
車が通る、人が過ぎる
うっすらと青い空模様、
桜並木は白く染め抜かれ

路上にて、
アパートの隣人と出会います
彼女は親しげな笑顔浮かべ
我々は、
手と手を宙で打ち合わせ
互いに挨拶交わします



涼風の吹くこの朝に
昨夜の悪夢は溶け解かれ

明るむ世界を歩いていく、

僕は 世界の現れを
ひたすらひたすらに
受け容れる、

小さな空っぽの傷付いた容器だ


 「一雨ごと変わる 季節の成長
 あんな風に人もキレイにかわれたのなら
 雨や風の日や強い太陽 全部味方なのにね」*










*イエローモンキー”Changs Far Away ”より


自由詩 容器(初春編) Copyright ひだかたけし 2023-03-16 11:48:54
notebook Home 戻る