うわのそら・春
あらい

(ボクの知るところでは、
納得しきれないぐらいの綻びがある)

      宇宙旅行に行くには、まだまだ背丈が足りなくて
 生け垣の間からのぞけばまだ、遠く遠くが見つけ出せるほど
    まばらなあしおとが、歓声を連れ 公園へ走っていく、

ふるい広告の指し示すとおりに、足を向けてみる
ろくすっぽ とけなかった 答案用紙と、トイレットペーパー
交換する? と、キミは誰だろうか
首肯ウナズいてみたい けれども くしゃみばかりで 困ります

去年潰れた市民プールには、バリケードがあって、
夢で乗り越えて見た木蓮は大層きれいで
  (上を向いて、春の訪れを、喜び、うたっている)
              一生懸命お話したけれど、でも
          もう 枯れ木には 明りがついています

ポストに投函された花弁よりも
おしゃまなキミが駆け出したんだ
もうすぐに目を細めて 
この春だけを指で拭う、
いま、こころより 賑やかであれと言う
                     うわのそら・春


自由詩 うわのそら・春 Copyright あらい 2023-03-15 21:38:18
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