ガン・ズー
soft_machine

崩れずにいたものをゆっくり持ち上げる
溶けきる前であなたは速度を増すので
急いで噛みくだく
氷の手ざわりはこういう風
わたしは砂場で縮んだ
縮む夜の砂漠の拡がり
横臥したまま口づさむ

アルコールハウスのガン・ズー
無限に連なる針の穴よ
あめ玉の目だま
或いはかんしゃく玉
中東式ドラムヘッドの脱毛を丸めながら
ふと咬む
猫を操る
機械化されたあなたはその義務と解放と
ゆれて近づく波のリボン
どうせ生まれ変わるなら
オーボエから歌う心を切なくしもっと息を苦しく
ために墜落する時の目眩とちぎれ雲
狂える球炎
そして星系
患いつつ砕けるプラチナ華
よちよち辿るプラズマ禍

触れるほど近づく惑え
眦には灰色雁が彫れる
喉を過ぎるほど圧された卵のようなエクレア
わたしの若者たちの顔を踏みしめ笑う
倒壊するアロハ
黙れないのなら
そう香りを焚べろ
舞えぬのなら縛れ
あなたも腰に結べて痺れるガン・ズー





自由詩 ガン・ズー Copyright soft_machine 2023-03-10 12:24:08
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