もう少し、野辺に背を向けて
AB(なかほど)

  


先の夢/机の上に/長い間そのまま/
雲の隙間/照る光に沿っている


せんのゆめ
 つくえのうえに
  ながいあいだそのまま
   くものすきま
    てるひかりにそっている




物の見方を変えたいよと/後ろに靡く香/
神の社へ向かうも/絵空事と嘯くか/
恋情残したまま/長い旅に出たのか/
生きているのか


もののみかたをかえたいよと
 うしろになびくかおり
  かみのやしろへむかうも
   えそらごととうそぶくか
    れんじょうのこしたまま
     ながいたびにでたのか
      いきているのか




生きているのか/昨日の世界へは/
もう帰れないのか/電話の声も/
霧の中か/長らえて/生きていれば/
もう少し/野辺に背をむけて/
俄か雨に駆け出す/者になれ


いきているのか
 きのうのせかいへは
  もうかえれないのか
   でんわのこえも
    きりのなかか
     ながらえて
      いきていれば
       もうすこし
        のべにせをむけて
         にわかあめにかけだす
          ものになれ



  


自由詩 もう少し、野辺に背を向けて Copyright AB(なかほど) 2023-02-09 20:11:24
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