祭祀クーラスとエインスベル(二)
朧月夜

祭祀クーラスは、館の南離れにある書斎にこもっていた。
執務室は中央棟にあり、面会などはここで済ませていた。
しかし、クーラスは今迷いのなかにいた。
エインスベルをどうするか、アイソニアの騎士をどうするか、

戦士エイソスをどうするか、さらにもまして、イリアスの処遇をどうするか。
すでに戦争は始まっていた。戦争には、裏切りもつきものである。
もしまたアースランテと戦うのであれば、
その戦力は出来得る限り排除しておくべきだろう。

また、アースランテとの同盟の道もないわけではない。
その場合、誰を殺すか? エインスベルか、戦士エイソスか?
彼らは皆、祭祀クーラスにとっては駒ののようなものだった。

その部屋が突然ノックされた。そして、入ってくるエインスベル。
「エインスベルか? 来ると思っていた。いつぶりに会うことになるか……」
「ライランテ戦争の出征式以来でしょう」


自由詩 祭祀クーラスとエインスベル(二) Copyright 朧月夜 2023-02-09 04:17:48
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クールラントの詩