息災
あらい
マスキングされたサンセットにフルイドアートを零す。
ジュークボックスの、後ろ髪を、きいたのか そうか
罪深し水の色 ふかき 山間にて
手のひらの奥に滴る 血潮の音は、
どうだ(湿度は順当 在り)
慎ましき、春の声あさし 海洋を
あしあとの先にこぼれる 土気色に
脱線して尚
嗚咽が昇華する、か。
笹浪に帯びて おやすみ 夜鷹の欠片たち
さざ波に与える。
まどろみの風。また今度、ヒヨドリへ
オレンジ峠をこえ 咽頭部に 手網を弾く
我儘な待ち人が また追いかけてくる
数多 彼方 貴方へ
忘れちまった面影を頼りに、生きる、
わたしは、わたしとして そのひをあびる
なないろの雨の詩を捧げ、
偶然の天秤は 可視化、
両手両足をなかほどに おとし
けのびする(冷却された 受け皿の 模様)
泥沼の生簀にて
どこまで活けるのか、
息が続く限りに 域を確かめるように はばたく
死海は当然、自重落下。白椿の首を思い、描く。
種とは記憶である
聞き齧った立ち話を
車掌が鷲掴み
ちりぢり。
プレイヤーは針をやどした、一つくしゃみにて、
2022-01-01