幻のなか
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君なのか 魚
遠い背中で
ゆっくり破裂してるのは
君なのか 空
花嫁を舟に列べ
沈むまで漕がせ
溶けるほど雨が打つ
細かな痛み
飽くことなく
雲を刷く夕べ
君なのか
知らない物の匂いに充ち
窓で繋がれた鈍い管が
壁の向うへと崩れるのを
ただの一度だって
止められなかった
幻のなか
これから先も
止められない
短い今を
映す氷柱
君なのか 化石して
風にまかれるしりえ
自由詩
幻のなか
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soft_machine
2023-01-20 19:39:17
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