楽 譜
塔野夏子
五線がある
君はそこに音符を置く
それは仄昏いどこかからやってきて
君の感覚を通過するとき
音符のかたちをとったもの
君は識っている
その音符が
鍵盤と指とを通過するとき
ひとつの燦きとなることを
君はまた別の音符を置く
休符を置く
さまざまな記号を置く
数多の音符を 休符を
それらを彩るさまざまな記号を
鏤められて
五線は銀河になってゆく
五線はどこまでもつづいてゆく
自由詩
楽 譜
Copyright
塔野夏子
2023-01-09 11:22:57