寝息は立てない
石川和広

どこに
どこへ?
見あたらない確かなものって何?

環状線で、きた
絶望のままにか

よれよれのTシャツで
ふらふら歩く
悲惨の影も見当たらない曇り空の遠く
頬がピクピクけいれんする
指先もどこかを求めて脱力したまま
そしてまた空と地の間を
居心地悪くもぞもぞ寝る

今に閉じ込められたまま
(本当は今は開かれているはずなのに)
遠望する未来
とおくどこかにあるようなワタシの
ワタシの雨

今雨が降っている
緑の葉を濡らしながら

雨の音と粒の境にワタシのいる場所がある

家はあるけどおぼろに濃密に

静かに静かに
寝息は立てない
旋回する夜空にまたひとつ痙攣が加わった

今は雨
今は雨
雨は遠くワタシに近い


自由詩 寝息は立てない Copyright 石川和広 2005-05-08 15:44:18
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